大学職員の採用選考を受けるためには、自己PRを準備する必要があります。
なぜなら、大学職員の選考では、新卒採用や中途採用において人柄を重視して採用する傾向にあるため「あなたはどんな人ですか?」という質問に答えなければいけないからです。
面接官に自分をアピールするためには、自分の強みや弱みを把握するだけではなく、過去の取り組みや経験を交えながら自己PRすることが大切です。
この記事では大学職員をめざしている就活生からの添削依頼に基づいて、現役大学職員のトキが大学職員への就職を意識した自己PRの添削を行っています。
- 自己PRのつくり方
- 自己PRを整理するフレームワーク
- 自己PRを考える時にやってはいけない3つの思い込み
誰にでも自己PRできる長所や短所は必ずありますが、多くの人は3つの思い込みによって、せっかくの自己PRを表面化させることができずに言語化できていません。
「自己PRがない…」と悩んでいる場合は、自分自身で思い込みをしていないかチェックしてみましょう。
就活生の自己PR(エントリーシート)を現役大学職員が添削した結果

就職活動を始めるタイミングは就活生によって異なりますが、就活を始めた就活生がまず始めに取り組まなければいけないのが自己分析です。
自己分析をすることで、自分の強みや弱みを明確にして、自己PRを考えることができます。
今回添削した就活生の自己PRは、学生時代のアルバイト経験について伝えることで、就活生の人柄や考え方がとてもよく伝わる内容でした。
「自分の自己PRがうまくまとまらない…」と悩んでいる方は大学職員の就活スケジュールを参考にしながら、まずは自己分析に時間を使いましょう。
今回の自己PR添削では「現役大学職員から相談者さんへのメッセージ」が自己PRを作り上げるための大きなヒントになっています。
この記事を読んでいる読者の皆さんも自分の経験と照らし合わせて、自己PRをブラッシュアップしましょう。
大学職員の詳しい選考スケジュールについては以下の記事を参考にしてください。
就活の自己PRで大事なのは人柄を伝えること
添削した就活生の自己PRは、具体的な状況を書くことで就活生の人柄がわかる良く書けた内容でした。
大学職員の就活準備では、自分らしさが伝わる自己PRを考えておくことが大切です。
自己PRを通じて自分の人柄・強み・弱みをアピールすることは、面接官に選考材料を提供するということです。
面接官が書類選考や面接を通じて知りたいことは、「あなたはどんな人ですか?」ということです。
自己PRでは「私は~が得意」「~が強みです」と自分の主張だけが書かれた内容にならないよう気をつけましょう。
自己PRで主張したいことが客観的に判断できるような根拠・裏付けを交えながら構成を考えることがポイントです。
面接官が初めてエントリーシートを読んだときに、1回で内容が伝わる自己PRをめざしましょう。
自分本位の自己PRはダメ!

- 自分の人柄が伝わる自己PRになっている
- 当時の場所・人数など状況がわかる
- 主体的に行動する様子がわかる
- 行動の動機について触れるとさらに良くなる
- 最後のまとめが弱いのでもったいない
- 自己PR(400字以内)
添削を依頼した就活生の感想(利用者の声)
| Kさん 女性 20代 |
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- 曖昧だった部分を言語化できた!
-
自分の中で曖昧だった部分を言語化していただき自分の考えをまとめることができました。 本音を交えて伝えるのが苦手だったのですが、伝え方を教えていただきより具体的に働き方を想像することができました。 ESの他にも日々の情報収集の中で疑問に思っていた部分をその場で解消していただき物事をより多面的に見ることができるようになりました。 今回も貴重なお時間いただきありがとうございました。
今回添削した大学職員をめざす就活生の自己PR

- 赤字…表記を中心に添削で修正した部分
- ①網掛け部分…相談者へのコメント
私の強みはニーズが異なる他者の要望に対応する力です。入試広報のアルバイトでは1回に20名前後が来場するキャンパスツアーガイドを務めました。中高生や保護者と一緒にキャンパス内を一周する活動でしたが中高生や保護者にキャンパスを一周し案内するツアーガイドであるが、マニュアル通りに行うと参加者の求める情報に対し提供が不充分であることや大学進学への関心が弱い年齢は反応がないことがスタッフ全体の①課題でした。原因は知識の偏りと対応力の不十分さだと仮定して、私は仲間に協力を求めてキャンパス内10学部の学部生1人以上に学部独自のエピソードや学校生活の情報を聞いてまわりその情報をスタッフ間で共有しました。そしてキャンパスツアーの参加目的を満たすことができるよう、ツアーの最初に世間話の時間を設け参加者のパーソナルな情報を聞き出すことで紹介する情報やツアールートの変更など②対応を行うよう提案しました。その結果ツアー中に参加者の相づちや質問が増え、満足度も向上しました。この強みを活かしマニュアルに沿った対応だけでなく③顧客ニーズに寄り添い独自のサポートを行います。
※相談者さんの選考活動に配慮し、一部文言を変更しています。
- アルバイト代は変わらない中でどうして頑張ることができましたか?
- 「○○な方の場合はこう対応する」など具体的なエピソードはありますか?
- 顧客と接する上で大切にしていることは何ですか?
自己PRを考える目的は面接官に自分の人柄を知ってもらうためです。
自己PRでは強みや弱みについて考えることが大切ですが、自分のことを整理するため独りよがりの自己主張にならないように気をつけましょう。
「自分の強みや特徴は○○です」と自分が感じた理由について、客観視できるエピソードや経験談を取り入れることで説得力が増します。
自己PRの主張を裏付けるためには、以下の内容が効果的です。
- これまでの経験
- 周囲の人からもらった言葉
- 当時、自分の周囲にあった環境や状況
自己PRは強みと弱みを言語化しよう

「自己PRを考えようと思ったけど何から書けばいいかわからない…」という悩みは多くの就活生・転職希望者が抱えています。
ただ単純に思いついたことだけを書いた自己PRでは、一貫性がなく、自分の人柄を面接官に伝えることができません。
大学職員の選考にむけて、以下のフレームに沿って自分の自己PRを考えてみましょう。
- ケース1.自分の強み(長所)と弱み(短所)を考える
- ケース2.これまでの経験からアピールしたいこと
- ケース3.これまでの失敗や挫折経験を振り返る
これら3つのケースをすべて考える必要はありません。
まずはこの中で自分がいちばん考えやすい項目から自己PRを考えてみることが大切です。
いろいろと悩んで書き進められない場合は、キーワードだけでも箇条書きで書き出してみることがおすすめです。
頭と手を動かしながら自己PRの内容を考えていきましょう。
自己PRは長所と短所で人柄を伝えることが大切
自己PRでは就活生の人柄が面接官に伝わるかどうかが大切です。
面接官に自分の人柄や経験をアピールする目的は、大学職員として採用後に活躍する姿をイメージしてもらうためです。
例えば、以下のような自己PRで「大学職員としての活躍像」をイメージできるでしょうか?
- 強み:誰にでも優しく接することができる
- 弱み:押しに弱く断ることが苦手
大学職員になると、奨学金やレポート受付など申請に基づいて手続きを行うことがあります。
特に期限を設けて、広く周知を行う募集業務に関しては期限厳守を徹底しなければいけないことが多くあります。
大学として学生や教職員に対して公平性を担保することも大学職員の役割です。
「誰にでも優しいけど、断れない」という特徴は友人であれば「あいつは良いやつだ」と映りますが、大学職員の採用選考ではやや不向きだと判断される可能性があります。
上記のような自己PRを伝えたい場合は「断ることが苦手」という短所に関して、日常的な対応策についてもしっかりと説明しておきましょう。
弱みがあることが悪いのではなく、どのような対策を講じているかをセットで伝えるように意識しましょう。
以下の記事では、大学職員の仕事内容や求められる能力について紹介しています。
大学職員になるために必要なスキルが分かるので自己PRの材料として活用してください。
自己PRは経験を伝えて自分をアピールしよう

大学職員の採用面接で自己PRをする時に自分の強みと弱みを伝えるだけでは説得力に欠けてしまいます。
ただ長所や短所を伝えるのではなく、自分のこれまでの経験をもとにアピールすることで主張に一貫性を持たせることができます。
大学職員トキ面接官は本当にその強みがあるのかを知りたい!
例えば「相手のニーズを把握して最適な提案することができる」という強みがあったとします。
この強みについて、面接官に納得感を持ってもらうためには次のように強みを活かした経験を交えて伝えることが大切です。
私の強みは「相手のニーズを把握して最適な提案することができる」ことです。大学生時代のキャンパスツアーではマニュアルとおりの案内ではなく、参加者の年齢や志望度などをツアー開始前の雑談を通じて収集しました。ツアー中も目線の動きや歩くペースによって興味の度合いを図りながらその時の参加者に合わせたツアーを実施しました。
自分の強みや弱みだけを伝えるのではなく、これらに基づくエピソードを添えることで就活生・転職希望者の人柄が良く分かる内容にすることができます。
自己PRでは、これまでの取り組み内容もしっかりと伝える準備をしておきましょう。
これまでの取り組みを振り返りながら学生時代に頑張ったこと(ガクチカ)について整理することも効果的です。
以下の記事では、ゼミ活動をガクチカにした場合の添削結果を公開しているので、自分のケースと比較して参考にしてください。
失敗や挫折の経験でも自己PRはできる


大学職員の採用選考では、人柄を中心に選考するため長所だけでなく短所にもスポットライトを当てた質問がされます。
「ひとつの物事にものすごい集中力を発揮する」長所がある人は、反対に「集中するとまわりが見えなくなる」という短所を持っているかもしれません。
このように私たちの強みと弱みは表裏一体です。
大学職員に限らず、社会人になると規模の大きい小さいはあれど、必ず失敗をする時があります。
大切なのは失敗や挫折をした時にどのように行動して立て直すことができるかです。
大学職員になると失敗や挫折後の行動が大切!
面接官が知りたいことは「この人にはどんな短所があり、どのように対策をしているのか」ということです。
自分の弱みについて、過去の失敗や挫折経験を交えて説明することで状況や課題がイメージしやすくなり、人柄が伝わりやすくなります。
ただ、自分の弱みだけを紹介するのではなく、過去の経験から何を学び、現在はどのように克服しようとしているのかをセットで伝えることで前向きな印象を与えることができます。
自分の短所を隠そうとするのではなく、どのように対処して改善しているのかをしっかりと示しましょう。
「自己PRがない」と感じるならマインドブロックを外そう
「自分には人に話せる自己PRなんてないよ…」と悩む就活生や転職希望者はまずは自分が以下の思い込みをしていないか振り返ってみましょう。
私たちにはひとりひとり個性があるように、必ず強みや弱みがあるので、自己PRがないのではなく、まだ見つけられていないだけです。
日常生活の中では長所や短所などを意識する機会は少なく、なかなかすぐに気づけないこともあります。
自己PRを考えるために以下のマインドブロックを外してクリアな頭で整理しましょう。
- 全国大会優勝などすごい成績がないとダメだと思い込んでいる
- 他人と比べて自分よりもすごい人がいると思い込んでいる
- 自分には強みがないと思い込んでいる
自己PRには特別な成績や成果は必要ない
「自己PRするためには、全国大会優勝や営業成績No.1など特別に優れた実績がなければいけない」と思い込んでいる方が多くいます。
ですが、特別な成績や成果がなければ自己PRできないということはありません。
大学職員になって、過去に成績を上げたスポーツやNo.1になった営業をそのままやるわけではないからです。
これまでにどれだけの成果や実績をあげたのかを話すことで、自分の強みをアピールするための根拠や材料として活用することができますが、実績自体が自己PRになるわけではありません。
大切なのは、成果や実績という結果ではなく、取り組みの過程で学んだことや今のあなたにどんな能力が備わっているかです。
成果や実績は強みを発揮したエピソードとして使おう!
特別な成果や実績に縛られるのではなく、過去の経験から自分の強みについて改めて考えてみましょう。
私には○○という強みがあります。◇◇の経験では××の実績をあげることができましたが、これは自分の強みを活かした結果であり、今後も私の○○という強みは大学職員になっても学生支援や教員とのコミュニケーションにおいて発揮できると考えます。
他人と比較して劣等感を感じる必要はない
自分の長所や強みについて考える時に「自分よりもこの強みが優れている人がいるだろう」と他人と比較している場合は気をつけましょう。
面接官が知りたいのは目の前のあなた自身の強みであって他人との比較ではないからです。
自分の強みについて他人の方が優れているから自己PRには使えないと自己判断でひっこめてしまうのはもったいないです。
仮に同じような長所を持った就活生・転職希望者がいたとしても、取り組んできた過程や背景は全く異なるので気にする必要はありません。



強みだけではなく総合評価で内定が決まるよ!
他の志願者との比較は面接官の仕事なので気にすることはない
面接官は「この人の強みを活かして大学という職場で活躍できるか」という点を見ています。
ほかの志願者との比較は面接官が選考の過程で行ってくれるので就活生・転職希望者は自分の自己PRをしっかりすることに集中しましょう。
自分には強みや長所がないと思い込んでいる
自分には何かしらの強みはあると分かっていながら「自己PRとして語れるほどの強みはない」と思い込んでいるケースがよくあります。
自分には長所がないと思い込んでしまう場合は自己PRにつながる長所の探し方がわからないことが原因です。
強みが分からないということは、まだまだ自己分析が足りていません。
これまでの経験を振り返って、上手くいった取り組みだけでなく苦労を感じずに行っていたことのまわりに自分の強みが隠れていることが多くあるので探してみましょう。
- これまでの経験で成功した出来事を振り返る
- 当たり前にできることが実は周囲と比較すると優れている
- 失敗を経て取り組んだ経験に強みとなるヒントがある
自己PRが上手く書けないときは、他の人に話を聞いてもらいながら深掘りしていくことも効果的です。
ひとりで抱え込んで煮詰まっているなら、友人や他の人に話を聞いてもらって強みや弱みをブラッシュアップしてみましょう。
当記事ライターの現役大学職員トキはオンライン相談(無料)を通じてエントリーシートの添削をしています。
「てにをは」などの朱入れだけでなく、面接対策や自己分析の深掘りなど大学職員の仕事経験を活かした添削をしているので希望者は公式LINEから申し込みください。
\ひとりで抱えずに相談しよう
まとめ
大学職員の採用選考では人柄について知るための質問が数多くされます。
自己PRをしっかりと面接官に伝えることは大学職員になってからあなたが活躍する姿をイメージしてもらうために効果的です。
自己PRでは、自分の長所や短所についてこれまでの経験を踏まえて伝えましょう。
自分の強みは、これまでの取り組みや周囲の人からかけてもらった言葉などを添えることで一貫性や信ぴょう性をアピールすることができます。
- これまでの経験
- 周囲の人からかけてもらった言葉
- 当時、自分の周囲にあった環境や状況
自己PRを考えるために役に立つのがいくつかのフレームワークに沿って自分の強みや弱みを考えることです。
以下の3つのパターンにこれまでの自分の行動を当てはめて、自分が伝えやすい自己PRを考えましょう。
- ケース1.自分の強み(長所)と弱み(短所)を考える
- ケース2.これまでの経験からアピールしたいこと
- ケース3.これまでの失敗や挫折経験を振り返る
「自己PRは自分のことを話すから自分が一番良く分かるはず」と思いがちですが、自己分析が進んでいなかったり、自己PRを考えようと視野が狭くなったりしている場合はうまく自己PRを考えることができません。
そんな時はひとりで抱え込まずに周囲の人に話を聞いてもらいながら「これはあなたの良い点(強み)じゃない?」と助言をもらいながら自己PRをブラッシュアップしてみましょう。
当記事ライターの現役大学職員トキはオンライン相談(無料)を通じてエントリーシートの添削をしています。
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