大学職員の仕事を理解するのに、もっとも効果的なのがOB・OG訪問です。
ところが、大学職員へのOB・OG訪問は、「周囲にお願いできる大学職員がいないから難しい」と感じたことはありませんか?
- OB・OG訪問って何を聞いたらいいの?
- 周りにお願いできる大学職員がいない…
- 他の方法で仕事について知る機会が欲しい
これまでに50名以上からOB訪問を受けてきた現役大学職員が「OB・OG訪問を想定して」キャリアセンターで働く現役の大学職員トモさんにインタビューしました。
この記事では、キャリアセンターの仕事内容が分かるだけでなく、OB・OG訪問の様子についても理解することができます。
「志望動機や就職後にやりたいことが上手く書けない…」という方は、大学職員の業務理解が足りていないことが原因です。
OB・OG訪問を通じて、世間であまり知られていない大学職員の仕事を、より理解していきましょう。
- OB・OG訪問の内容がわかる
- 大学職員の志望理由が見つかる
- 大学職員の選考・面接対策になる
キャリアセンターで働く大学職員の仕事内容について
トモさんの業務内容について教えてください。
私の仕事を紹介しますね。
私、大学職員トモは、キャリアセンター(就職支援課)で働いています。
私の主な業務は、
- 企業を中心とした会社説明会の企画実施
- 卒業生の就職先調査・分析
- 学生の模擬面接・採用活動支援
この3点です。
キャリアセンターが行う会社説明会の企画・実施について
キャリアセンターの役割として「学生の就職を支援する」ことがあります。
会社説明会とは、企業が就活中の学生に対して、自社の特徴や事業内容を説明し、企業理解を広める機会のことです。
多くの学生たちが新卒採用としてエントリーする企業の多くは経団連(※1)に加盟する大企業のため、毎年の就職活動スケジュールが一律化しています。
(※1) 一般社団法人日本経済団体連合会の略語。経団連には日本の代表的な企業1461社(2021年4月1日時点)が加盟し、学生の青田買いを抑制し学習時間確保のため、一律の採用活動解禁時期などを独自に定めている。
就活生は企業の個別説明会にそれぞれ参加していて時間も手間も大変…
キャリアセンターでは、学生たちが就職活動を本格化させる時期に合わせて、たくさんの企業を大学に招いて、会社説明を学生に向けて実施してもらうためのイベントを企画しています。
大学主催の合同企業説明会を実施することで、企業側は「参加大学の就活生」に特化した説明会を実施することができ、就活生である学生は一度に多くの業界・企業理解を進めることができます。
キャリアセンターが取りまとめることで、企業も学生も都合がよくなるね!
卒業生の就職先調査・分析をしている
学生たちの就職先情報は大学にとって非常に重要なデータです。
毎年、卒業生が提供したデータをもとに卒業学部と就職先の業界との相関関係など、あらゆる観点から分析しています。
就職先データは、文部科学省が各大学に回答を依頼する「就職状況調査」の回答データの作成にも利用されます。
その他には、分析したデータをもとに大学公式ホームページに掲載する年度ごとの就職先情報や分布図などを用意するのがキャリアセンターの仕事です。
就職先の情報は、学生や親御さんが大学選びをする際に就職実績として参考にするケースが多いため、正確に見やすい表現を心がけています。
大学の就職実績を知りたい方はたくさんいるよ!
学生の模擬面接・就活支援はキャリアセンターで実施!
キャリアセンターでは、就活中の学生に模擬面接として面接練習を行います。
面接解禁前のピークの時期には、朝から夕方まで部署のスタッフ総動員で対応することもあります。
キャリアセンターには、学生のほかに民間企業の人事担当者も来室するため、選考時に見ているポイントや、求める人物像などをヒアリングして、面接練習の際に取り入れています。
模擬面接では、自身の就職を懸けた学生と大学職員が1対1で真剣に質疑応答を行います。
キャリアセンターで働く大学職員は、模擬面接を通じて
- 学生自身が気づいていない点
- 質問に対して明確、簡潔に回答できているか
など、客観視しながらアドバイスを行います。
大学職員の仕事で大変だった経験は?
トモさんは仕事で苦労したことはありますか?
苦労を乗り越えて1人前ですね!
キャリアセンターで、大変だったことは関わる方々の多さですね。
私がキャリアセンターに異動してきた当初は、公官庁就職の担当になりました。
学生が希望する就職先はさまざまで、民間企業だけでなく公務員や中学・高校教師など、これまで私が経験したことのない就職活動をする学生もたくさんいました。
公務員への就職方法や、教職免許の仕組みなどをイチから勉強しましたね。
そして、現在は民間企業への就職支援担当として仕事をしています。
いくつもの担当を経験して気がついたことですが、民間企業・公務員・学校教師と、希望する業界ごとに特有の雰囲気があるんです。
企業人事の方には企業人事の雰囲気、公務員には公務員特有の雰囲気があり、正直、それぞれの考え方や話のツボを理解するのに時間がかかりました。
ですが、異動当初の苦労した経験があったからこそ、現在の学生との模擬面接では、非常に幅のある質疑応答を行うことができるようになりました。
企業人事や現役社会人の方と日頃から話をすることで、「相手が求めることは何か?」をとらえる力が養われたように思います。
大学職員としてやりがいを感じる瞬間は?
大学職員の仕事でやりがいを感じた場面はありますか?
キッカケをつくったときに感じますね。
キャリアセンターで働いていて、特にやりがいを感じる場面は2つです。
1つ目は、学生との模擬面接で、就活に苦労している学生が気づきを得て、その後の就活がとんとん拍子に進んでいくときです。
真剣に頑張っている学生は応援したくなりますし、私との模擬面接で学生自身のキッカケとなるものを提供できたことは嬉しいですね。
2つ目は、仕事を通じて社会の仕組みを学び、より深く理解する機会が多いことです。
キャリアセンターでは、多種多様な業界の企業人事の方と話をします。
「○△大学さんで~就活に関する説明をしたい」とお話をいただくこともあれば、「□△会社にぜひお越しいただいて~」と営業をする場面もあります。
そんな中で、欠かすことができないのが業界研究や企業研究です。
まるで、学生時代の就活のようですが、仕事をするうえで、「相手を理解する」ということはとても重要なんです。
学生を社会に送り出す仕事に携わる大学職員が、肝心の社会について知らないという状況ではお話になりませんからね。(笑)
日頃から隙間の時間を使って、業界研究・企業研究をしながら、社会人となった今でも学び続けることは非常に楽しいですね。
大学職員として次に考えるキャリアは?
トモさんは次はどんな仕事がしたいですか?
学生面談をして、もっと学生と関わる仕事がしたいと思うようになりました。
私が次に希望するキャリアとしては、「教務課(学部事務室)」での勤務ですね。
現在のキャリアセンターで学生と話をしていると、面接対策で必ず質問する「学生時代に頑張ったこと」に答えることができない学生が多いんですよ!
面接に慣れていないことが原因のケースもありますが、よくよく聞いてみると、「学生時代に頑張った」と自信をもって言えることがないと、学生自身が感じてしまっているんです。
当然、何もしてこなかった学生はいないので、自己分析が足りていないケースが多いのですが、「頑張ったと胸を張れる経験が浮かばない」というのは非常に残念です。
なので、次は、キャンパスライフを支え、学生との距離の近い教務課(学部事務室)で、学生たちの大学生活が実り多くなるために仕事をしたいですね。
就活生・転職活動中の方へのメッセージ
この記事を見てくれている方に一言お願いします。
皆さんと一緒に仕事したいですね!
ここまで読んでいただきありがとうございます。大学職員のトモです。
キャリアセンターの仕事内容はさまざまで、最初のことは正直、大変でした。
私は学生時代の勉強はあまり得意ではありませんでした。
大学の講義が面白いと感じ始めたのも卒業する直前の時期です。
ですが、今の仕事は毎日、学び続ける機会が多く、充実しています。
これまでの仕事経験を通じて、気が付いたのですが「勉強」と「学び」は異なると私は思います。
勉強とは、暗記したり記憶することが中心ですが、学びは何か新しい発見や出来事のまわりに存在します。
大学職員に関わらず社会人の中には「忙しい」を言い訳に、
- 月に1冊でさえ本を読まない
- 主体的に学ぶ姿勢がない
という方々が多いのが現状です。
私は、主体的に学びながら人間として成長していこうとする向上心のある方と一緒に働きたいですね。
今後、皆さんが大学職員の世界に飛び込んでくることを楽しみにしています。
大変な時期こそ、諦めずに継続していきましょう!
まとめ
「大学職員にOB・OG訪問してみた」シリーズで今回は、キャリアセンターで働くトモさんのお話を紹介しました。
キャリアセンターという大学にとって欠かせない部署では、学内・学外ともに目を向けて仕事をしていることがわかりました。
今回ご紹介したのは、キャリアセンターが担う業務の一部ですが、大学職員の仕事について理解が進んだと思います。
トモさんの「勉強と学びは違う」という考え方、好きですね。
今回のOB・OG訪問を参考にご自身の経験を踏まえて、志望動機などを考える際の参考にしてください。
「大学職員にOB・OG訪問してみた」シリーズでは、次回も異なる部署のOB・OGにインタビューしていくので参考にしてください。
はじめてのOBOG訪問はだれでも緊張するものです。
大学職員の人数が少ない以上、あなたのまわりに相談できる大学職員がいないことは仕方のないことです。
- OBOG訪問で何を質問したらいいかわからない
- 大学職員の仕事内容をもっと知りたい
- 自己分析やエントリーシートを見てほしい
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