大学業界は18歳人口の減少や出生率の連続減少などの影響でこれからの時代は厳しくなることが見込まれています。
それでも教育業界への社会的関心の高まりや、安定性、学生を支えるといったやりがいを感じられる職場として、転職を目指す方から根強い人気を集めています。
大学職員の選考では、エントリーシートや筆記試験、グループディスカッション、面接などを行いながら最終的に「最終面接」によって内定が決まります。
この記事では、大学職員の最終面接で実際によく聞かれる質問とその意図、効果的な回答の考え方に加えて、内定を勝ち取るために必要な準備・心構えについて詳しく解説していきます。
- 最終面接で意識するポイントがわかる
- 面接官があなたのどこを見ているかがわかる
- 最終面接でよく聞かれる質問がわかる
大学職員の最終面接では人柄を見られる
大学職員を中途採用する場合、その大学にとって即戦力となる人材を求めています。
そのため、これまでの実績や業務経験についての質問がある一方で、「その大学の雰囲気と合致しているか」「長く活躍してくれる人物か」という人柄に焦点を当てた質問が多いという特徴があります。
大学職員の最終面接では、面接官として理事長、理事、学長、事務局長といった経営層・幹部クラスの教職員が同席するケースがあります。
- 理事長・理事
- 学長・副学長
- 事務局長・人事部長
大学は民間企業のように利益を追求する組織ではなく、大学ごとのミッションや建学の精神を尊重して活動しています。
志望する大学の雰囲気やミッションを理解して、自分の経験や強みをどのように活かすことができるのかを言語化しましょう。
面接官に納得感をもって理解してもらえるよう事前に準備して最終面接に臨むことが大切です。
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大学職員の最終面接でよくされる質問5選
大学職員の最終面接では、資格取得や表面的なスキルよりも人柄の部分に注目されます。
- 大学という環境に適応できるか
- 長く大学で働き貢献してくれるか
- 他者と協力してチームワークを発揮できるか
個人成績や個人プレーを前面に出すのではなく、まわりと協調しながらチームで仕事ができる人だと思われることを心がけて、面接では回答しましょう。
1.なぜ大学職員に転職したいのか?
質問の意図:動機の本気度を確認して、主体的な業務姿勢を確認している。
大学の役割は「教育活動」「研究活動」「地域連携」の3つに分類することができます。
大学職員はこの役割を果たすために仕事をするので、自分の志望動機が大学の役割と合致している場合は、採用後に大学に大きな貢献をもたらす可能性があります。
面接官にどうして大学職員でなければいけないのかを伝えましょう。
2.数ある大学のなかで本学を志望した理由は何ですか?
質問の意図:内定承諾に向けた志望度の確認と大学への適応力を見ている。
志望大学に合わせた志望動機を考える方が数多くいますが、これでは最終面接で面接官には刺さりません。
あなたが大学職員として成し遂げたいことや想いがあったうえで、貴学であればそれを実現できると感じた理由やポイントを述べましょう。
「やりたいことがあって、それが一番実現できるのが貴学」だから第一志望として、面接に臨んでいることを最終面接では伝えなければいけません。
3.これまでの経験を大学職員としてどのように活かしますか?
質問の意図:実務能力の応用可能性と就職後の再現性を見たい。
例えば、現職の人事業務で若手育成やマネジメントを行っている場合、「大学職員でも学生指導やキャリア支援においてこれまでの経験を活かしたい」と伝えることができます。
さらに、「人材教育では答えを与えるのではなく、本人自身が気づき、考える環境づくりが大切であると考えるため、この視点を応用して大学業務でも適応していきたい」と自分の考えを紐づけることで就職後の再現性を面接官にアピールすることができます。
4.トラブルになった場合、どのように対応しますか?
質問の意図:対人コミュニケーション力とトラブルへの対応力を見たい。
トラブル対応においては、大学として公平性を担保できているかという点は解決への判断材料として重要です。
例えば、窓口にきた特定の学生にだけ特別な配慮をしようとした場合、窓口相談に来なかった他の学生に説明がつくのかという点を忘れてはいけません。
また、自分ひとりで解決しようとせず、上司や同僚に相談して解決することが望ましいケースもあります。
これまでのトラブル対応経験をもとに優先順位や気をつけるポイントを整理して回答しましょう。
5.現職を退職することは問題ないのか?
質問の意図:内定後の承諾意思と転職可能な時期を知りたい。
最終面接では、「この人に内定を出したら本学に就職してくれるか」という点を面接官は見ています。
面接官の不安を解消するためにも「現職では後輩指導を行い、業務引き継ぎを行っているので3か月後には退職可能です。」というように具体的な行動と就職可能日を伝えましょう。
大学職員の最終面接ではアピールの角度を変えよう
大学職員の採用面接では、大学ごとに求める人物像があります。
そのため、1次選考から最終面接まで「求める人物像と合致するか」という点は変わらずに見られていますが、選考の段階によって評価されるポイントが変わります。

面接官の役職・年次に合わせてアピールしよう!
どの選考においても「一緒に働きたいか」という点で面接官は選考しています。ですが、面接官の役職や年次によって、一緒に働きたいと感じるポイントに差があることを意識してください。
- リクルーター:2年目~5年目の若手職員
- 1次面接:30代半ばの係長クラス
- 2次面接:40代前半の課長補佐クラス
- 3次面接:40代後半の課長クラス
- 最終面接:50代の部長、60代役員クラス
中堅職員が面接官となる1次面接や2次面接では、現場に近い視点で評価されます。「実務能力はあるか」「まわりと協力して仕事ができるか」という点にしっかり答えながら回答しましょう。
最終面接になると面接官の年次は上がり、役職者たちで構成されます。
最終面接では「やがて大学を引っ張るリーダーになれるか」「主体的に周りを巻き込む力があるか」という今後を任せることができる人物かという視点で評価されます。
最終面接では、自分の考えや意見をしっかりと伝えることで、実務能力だけではなく、今後の成長性をアピールすることで内定獲得を目指しましょう。
最終面接で「一緒に働きたい!」と思われるポイント
大学職員の面接官が見ているポイントは次の3つです。
- これまでの頑張った経験に再現性はあるか
- 複数人で協力して取り組んだ経験はあるか
- 人柄や人間力は備わっているか



面接官の普段の仕事像を想像してみよう!
一緒に働きたいと思われるためには、面接官が普段の様子をイメージしてみましょう。相手の年次や役職によって、感じるポイントは変わってくるものです。
たとえば、「複数人で協力して物事に取り組んだ経験」について考えてみましょう。
毎日の業務で実務を多くこなす若手の職員と、たくさんの部下を抱える部長では「複数人で仕事をする」というポイントを見るときに評価の視点が異なります。


中堅・若手職員が面接官の場合
- 後輩として仕事を分担できるかな?
- 派遣、パート職員と協働できるかな?
- 上司に失礼のないマナーはあるかな?
毎日、膨大な業務量をこなす中堅・若手職員は、同僚として迎えたいかという目線で選考に臨んでます。
部長クラスが面接官の場合
- 中核を担う大学職員になれるかな?
- 教員や卒業生に誠実に対応できるかな?
- 成長の伸びしろはあるかな?
何十人もの部下を抱えてきた管理職は、将来の成長性を見極める目線で選考に臨んでいます。
このように、同じポイントを面接で見ていますが、「一緒に働きたい」と感じるポイントは面接官の普段の仕事内容から影響を受けることになるでしょう。
つまり、就活生や転職活動中の方は面接が進むにつれて、話す内容の根幹や軸の部分は変えずに面接官の立場や背景を想像して、相手に届く伝え方に変換して話をする必要があります。
「相手に合わせて話を変換すること」の重要性に気がついた就活生や転職活動中の方は、最終面接で内定を勝ち取っています。



内定を獲得する人は相手に合わせた話し方ができている◎
「相手に合わせて変換するなんて、面倒だ…」と思うかもしれません。
就職活動や転職活動において、唯一の絶対的な正解はありませんが、「相手に合わせて変換しながら伝える」ということはこれまでの私の経験から大学職員の内定を勝ち取るひとつの答えだと思います。
最終面接の準備と相手に合わせた話し方
大学職員の最終面接で内定を勝ち取るためには、次の2つを準備しましょう。
- 自己分析の深掘り
- 相手に合わせて話し方を変える
自己分析を深掘りしよう
自己分析の深掘りでは、自分の強みがどうして備わっているのか、過去の経験や出来事を振り返りましょう。
また、あなたの志望動機について「これをやりたい」と考えるきっかけや経験談を準備しておく必要があります。
これまでの業務経験について、「どのような姿勢で取り組んできたのか」「困難をどう乗り越えたのか」言語化しておきましょう。
自己分析を深掘りするときには面接官が選考で見ているポイントを理解して、相手が求めている答えになっているかを確認しながら進めることがおすすめです。
面接で相手に合わせて話し方を変える方法
面接では「一緒に働きたい!」と思ってもらうことが必要ですが、面接が進むにつれて、面接官の肩書や年次が上がっていきます。
1次面接では中堅職員に向けて、最終面接では管理職に向けた話し方をする必要があります。
相手に合わせて話をするためには、面接官が日頃、どのような業務を行っているかを考えながら、何を必要としているかをイメージしましょう。
結果的に、職場で活躍するイメージを面接官に感じてもらうことができれば一緒に働きたいと思ってもらうことができます。
具体例として、サークルの経験談を使って、面接官に合わせた言い換えの方法をご紹介します。



文化祭にむけたサークルでの体験で考えてみよう!
学生時代に頑張ったエピソードとして、「文化祭にむけたサークルでの取り組み」をテーマにした場合の言い換えの例文は以下の通りです。
「私は大学2年生の時、大学の文化祭にサークルとして出店することになった。
この時に、原価率の安さから小麦粉を使用した粉モノを商品として出品することになったが、焼きそばとたこ焼きのどちらを提供するかについてサークル内で大きく意見が割れた。
意見の対立は一向に収まることなく、このままでは、サークルが崩壊するのではないかと危機感を覚えた私は、すぐに仲介役にまわり、なんとか事なきを得た。この経験から私は、人の話に耳を傾け、間を取り持つことが得意だと実感した。」
※ガクチカ…学生時代に学生時代に力を入れたことの略(就活略語)
面接官が中堅職員の場合の伝え方



中堅職員に向けて話す言い換えは次の通りです!
私は、大学2年生の時、大学の文化祭にサークルとして出店することになりました。
ところが、提供する商品を焼きそばとたこ焼きのどちらにするかでサークル内で大きく揉めてしまいました。焼きそば派の仲間に理由を尋ねると、多くの人が「たこ焼きはクルクル回す作業が大変だから」という理由で反対していることが分かりました。
そこで私は、たこ焼き派のメンバーに出店業務の作業を全員で分担したいと伝えると快く快諾してくれました。
次に、焼きそば派の仲間にたこ焼き調理は私やたこ焼き派のメンバーで分担するので、代わりに宣伝や接客をお願いしたいと交渉しました。焼きそば派のメンバーも調理をしなくてよいということで、抵抗感がなくなり、そこからは一致団結してどのように売り上げを立てるか作戦会議をする毎日でした。
この経験から、まずは相手の話に耳を傾け、自ら主体的に行動していくことの大切さを学びました。
1次面接を担当する中堅職員は、普段の業務において目の前の仕事を行いながら、派遣職員やパート職員の業務管理を行いながら、後輩指導をしています。
つまり、協調性があり、主体的に行動できる同僚と一緒に仕事をしたいと考えるため、中堅職員に向けて以下の点を意識してガクチカを伝える必要があります。
- 周囲の話を聞くことができる
- 意見の異なる人と協力できる
- 自ら主体的に動くことができる
中堅職員は日常業務でたくさんの事務作業をこなし、派遣職員やパート職員に仕事の割り振りしています。
つまり、中堅職員は立場の異なる人の話に耳を傾け、時に対立する相手とも協力し、自ら主体的に動くことができなければ、大学職員として活躍することはできないと考えています。
志願者が周りの声を聞きチームで仕事ができる人であれば、同僚として迎えて一緒に働きたいと感じてくれるため、伝え方を工夫する必要があるわけです。
面接官が管理職の場合の伝え方



管理職に向けて話す言い換えは次の通りです!
私は、大学2年生の時、大学の文化祭にサークルとして出店することになりました。ところが、提供する商品を焼きそばとたこ焼きのどちらにするかで大きく揉めてしまいました。
対立の原因は、たこ焼きの調理工程が手間であるという意見によるものでした。その時は、たこ焼きの調理を分担することで、問題は解消しましたが、根本には別の問題があると感じました。
一部のサークルメンバーが決めた内容を決定事項として伝えられた他のメンバーが良く思わなかったことが、「今回の対立の本当の原因である」と仮説を立てて、翌年度の文化祭では、メンバー全員で出店の目的を確認し、目的を実現するためのアイデア会議を行うところから始めました。
かつて私は、事前会議は時間と手間がかかるものだと後ろ向きでしたが、この取り組みを通じて大切なことを学びました。
最終面接を担当する管理職の職員に対しての伝え方には、中堅職員に伝える時とは異なる視点を取り入れています。
管理職に向けたガクチカの変換ポイントとして、以下の点を意識します。
- 場当たり的でない根本の原因を解決できる
- 自ら仮説検証をすることができる
- 部分ではなく全体を見通すことができる
管理職は、部下の労務管理だけでなく、いかに育成するかというミッションを感じながら日々の業務にあたっています。
特に、大学職員という職種は多くの方々と話を進めていく職業であるため、誠実さ、臨機応用さ、粘り強さ、人当たりの良さなど複数の要素が必要になります。
つまり、管理職は大学職員の総合職として、将来的に活躍できる人間力を備えているかという観点で選考しています。
最終面接にもなると、1次面接から選考を進んできた実力者たちがライバルとなります。
それぞれが良い経験や知識、能力を備えている中で、最終的な合否の分かれ目は人間力にあります。
最終面接での逆質問は、内定を大きく近づけることになるので、しっかりと対策をして臨みましょう。
まとめ
大学職員の採用面接を突破するための方法を紹介しました。
まずは、大学職員の採用面接で面接官が見ているポイントをしっかりと確認しておきましょう。
そのうえで、採用面接が進むごとに、面接官の年齢層が上がることも意識しておく必要があります。
- リクルーター:2年目~5年目の若手職員
- 1次面接:30代半ばの係長クラス
- 2次面接:40代前半の課長補佐クラス
- 3次面接:40代後半の課長クラス
- 最終面接:50代の部長、60代役員クラス
内定ホルダーだけが知る、採用面接を突破するための方法は「面接の段階ごとに伝え方を変えること」です。
中堅職員が面接官の1次面接で、将来像だけを押し出しても「どこか理想論に過ぎない」と判断されてしまいます。
一方で、管理職が面接官となる最終面接で、現場の事務効率の最適化だけを押し出しても「総合職としての器が見えない」と判断されてしまいます。
せっかく、時間をかけて考えたガクチカや志望理由を活かすためにも、相手に伝わるように言い換えを上手く使いながら面接に臨んでください。
誰でも就職活動や転職活動は初めての経験であることが多いため、最初は上手く相手に合わせた伝え方ができないこともあります。
- 自分のガクチカに自信がない
- どのように変換できるか相談に乗ってほしい
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