
- 土岐 光(大学職員)
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関東の私立大学に勤務する現役の大学職員。多数のWebメディアで監修・執筆の実績あり。これまでに100名以上の就職・転職支援を実施して10名以上が大学職員に内定。大学職員の情報をYoutubeで発信。
世の中にはたくさんの職業がありますが、大学職員という仕事を知っている人はあまり多くありません。
たとえ大学職員という職業を知っていたとしても詳しい業務内容までは知らない人が多いのではないでしょうか。
この記事では大学職員の教務課での仕事内容について現役大学職員の実体験を交えて紹介します。
- 教務課の仕事内容がわかる
- 大学の窓口対応の裏側がわかる
- 大学の授業運営を支える大学職員の仕事がわかる
教務課は大学の中で最も学生と関わる機会の多い部署ですが、「事務室の奥に座ってパソコンをしている」というイメージが強いと思います。
「事務室の奥に座って事務作業をしている」と思っていた大学職員が本当はどんな仕事をしていたのか、その裏側を紹介します。
結論、大学職員は事務処理だけをするというイメージは大きな間違いです。
大学職員トキ今回は教務課の授業運営に関する業務を紹介します!
- 来年度のカリキュラムについて検討
- 開講科目の担当教員を決定
- 開講科目の時間割を決定
- すべての科目のシラバス執筆を依頼
- 履修登録のためにシステム環境を構築
- 学生からの履修相談に対応
- 休講掲示やPC貸出などの授業支援
- 学期末試験に向けた準備
教務課では学部の運営に関わる業務をしている


大学の教務課とは、主に教務に関する業務全般を行う部署のことで大学内の教学組織に位置します。
教務課の仕事内容では学生と接する機会が多く、授業運営、期末試験、教員対応、各種制度案内、証明書発行、資格講座運営など幅広い業務を担当しています。
教務課で行う仕事の中でも主に教務(きょうむ)といわれる仕事は授業運営に関わることから学生の進級や休学を管理する学籍業務、学期末に行われる期末試験業務などがあります。
教務課では新入生に対して、新入生ガイダンスなどを実施することから、学生にとって最も身近な事務室として「何かあったらまずは教務課に相談する」というように数多くの学生が訪れる部署です。
そのほかにも教務課では学部の運営に関わる業務を行っています。
- 学部教授会の運営
- 学部の授業運営や資格課程の運営
- 学部に在籍する学生の学籍管理
大学では学部ごとに定められたカリキュラムに従って、教員が講義や演習を行い、学生が科目を履修して学修します。
このような大学の活動は文部科学省令で定められた認可手続きに基づく寄附行為※1に従って実施されています。
※1 寄附行為とは学校法人の根本規則たるべきものであって法人の現在及び将来の在り方を規制するものであり、法律に定められた事項(必要的記載事項)のほか、法令の規定に違反しない限り、任意的な事項を定めることができるが、寄附行為の変更には一部の届出事項を除き所轄庁の認可が必要となります(私立学校法第45条、私立学校法施行規則第4条の3)。出典:文部科学省「学校法人制度の概要」



どんな時に学生が教務課に来るかイメージするとわかりやすい!
教務課の仕事を理解するためには、学部の運営に関わる人々を想像してみましょう。
教務課の窓口を訪れるのは、何かわからないことがある学生や授業準備をする大学教員です。
教務課では、毎日、学生や教員に向けて窓口対応をしながら仕事を進めるため、大学の中でも最も学生や教員との関わりが多い職場という特徴があります。
教務課では授業・学籍・試験・成績管理などの業務を行っている
大学に入学したばかりの新入生は大学の制度や教室の場所をあまり知らない状態で新生活を迎えます。
そんな学生たちにとって頼もしい味方となるのが教務課です。
教務課では新入生ガイダンスや授業に関する教室の割り振り、クラス分けや時間割配置などを行うため学生との距離が近く、学生からの質問や相談を日常的に受け付けています。
そのため学生が困ったときにまず最初に相談に訪れる場所が教務課なんです。



教務課ではいろいろな人が仕事をしているよ!
教務課で働く人たちは全員が専任職員(正社員)というわけではありません。
派遣職員、嘱託職員、臨時採用職員、パートタイム職員など立場の異なる職員が一緒に仕事をしながらそれぞれの役割を果たしています。
- 専任職員(総合職)
- 派遣職員
- 嘱託職員
- 臨時採用職員
- 契約職員
- パートタイム職員
教務課で働く大学職員はいくつかのグループに分かれて仕事をしています。
その中でも教務といわれる仕事は主に次の4つです。
- 授業運営に関わる仕事
- 学籍に関わる仕事
- 学期末試験に関わる仕事
- 成績管理・証明書発行に関わる仕事
- 授業運営に関わる仕事
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大学では学部ごとに定めたカリキュラムポリシーに基づいて講義や演習を行います。
大学職員が教員のように講義をすることはありませんが、カリキュラム改正や教室割り当て、休講連絡など授業実施に関わる業務の多くを行っています。
- 学籍に関わる仕事
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学生は入学した時点でひとりひとりに「学籍」という大学に在籍していることの証が付与されます。
学籍は学籍番号によって管理され、何万人も学生が在籍する大学であっても学生の数だけ学籍番号で学籍情報を管理しています。
教務課では学生ひとりひとりの進級履歴や休学、退学の手続き記録を管理して保管しています。
- 学期末試験に関わる仕事
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大学では単位制(大学設置基準第二七条)という制度の下、学生が在学中にカリキュラムに定められた単位数を修得することで卒業することができます。
大学の講義では成績付与のために学期末レポートや筆記試験などの学期末試験を行い、合格した学生だけがその科目の単位を修得することができます。
教務課ではその学期に開講しているすべての科目について、これらの学期末試験の実施を準備・手配しています。(参考:文部科学省)
- 成績管理・証明書発行に関わる仕事
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学期末試験の成績に基づいて付与された単位や成績はすべて大学で管理しています。
最終的に卒業に必要な単位数を修得したかどうかを判断するときに利用し、卒業後の証明書発行の際にも使用します。
成績証明書は学生が卒業してからも申請するケースがよくあるので、卒業生のサポートも教務課が担っています。



教務課の豆知識!単位の計算方法を紹介するよ
- 科目ごとの単位数は大学が自由に決めてるの?
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科目の単位数は大学設置基準で定められた1単位あたりの計算方法に基づいて算出しています。
1単位を付与するために必要な学修時間が定められているので、「この講義は2単位」とする場合は2単位分の学修時間を必要とします。
(単位)
出典:大学設置基準第二十一条
第二十一条 各授業科目の単位数は、大学において定めるものとする。
2 前項の単位数を定めるに当たつては、一単位の授業科目を四十五時間の学修を必要とする内容をもつて構成することを標準とし、授業の方法に応じ、当該授業による教育効果、授業時間外に必要な学修等を考慮して、次の基準により単位数を計算するものとする。
一 講義及び演習については、十五時間から三十時間までの範囲で大学が定める時間の授業をもつて一単位とする。
二 実験、実習及び実技については、三十時間から四十五時間までの範囲で大学が定める時間の授業をもつて一単位とする。ただし、芸術等の分野における個人指導による実技の授業については、大学が定める時間の授業をもつて一単位とすることができる。
三 一の授業科目について、講義、演習、実験、実習又は実技のうち二以上の方法の併用により行う場合については、その組み合わせに応じ、前二号に規定する基準を考慮して大学が定める時間の授業をもつて一単位とする。
3 前項の規定にかかわらず、卒業論文、卒業研究、卒業制作等の授業科目については、これらの学修の成果を評価して単位を授与することが適切と認められる場合には、これらに必要な学修等を考慮して、単位数を定めることができる。
教務課では学生の履修登録に関する業務をしている
大学生は大学の講義を受けるために必ず履修登録を行います。
もしも学生が事前の登録をせずに、自由に大学講義に参加してしまうと科目ごとの履修者を特定することができず、学期末の試験を実施できないため、その科目について成績を付与することができません。
そのため、大学では学期の初めに履修登録期間を設けて学生たちがその学期に履修したい科目を登録します。
履修登録によって科目ごとの履修者を確定させるため、履修登録をしなかった場合はその科目で成績を付与されることはなく、結果的に単位を修得することはできません。
学生が履修登録をするには教務課で多くの事前準備が必要
大学では学生が科目を履修登録して講義や演習に参加していますが、この当たり前に行われている履修には非常に多くの準備が必要となっており、これらの仕事を教務課の大学職員が行っています。
年度初めの4月に履修登録をして授業を開始するために、前年の6月頃から準備が始まっています。
教務課の大学職員が行っている履修に関する仕事内容を順番に紹介します。
多くの大学では、学生が無理なく計画的に科目履修をしながら教育の質を高める目的でキャップ制度(CAP)を導入しています。
キャップ制度(CAP)とは、単位の過剰登録を防ぐため、1年間あるいは1学期間に履修登録できる単位の上限
を設ける制度のことです。(出典:文部科学省学士課程教育の構築に向けて(答申)用語解説)
学生の履修登録によって、大学が定める履修可能な単位数の上限に達していないかを確認することが可能になります。
教務課では前年の夏から来年度のカリキュラムを検討している


大学のカリキュラムは学部ごとに決まっていますが、毎年同じカリキュラムで実施されているわけではありません。
ディプロマポリシー(学位授与方針)といわれる「どんな知識・能力を備えた学生を輩出することを目標にするのか」といった方針や現代社会の課題解決・求められる能力に基づいてカリキュラムの見直しや改正を行っています。
カリキュラムの改正は必修科目群を見直すような大きなカリキュラム改変や次年度に開講する科目の決定など規模の大きい小さいはありますが、前年の夏ごろには翌年度に向けてカリキュラムの検討を進めています。



学部のカリキュラムは学生たちに大きな影響を与えるよ!
カリキュラムに基づいて学生たちは学修することになるため、カリキュラムの見直しは新たに入学してくる新入生にとって非常に大きな影響を与えます。
そのため、各学部ではカリキュラム改正のためにカリキュラム委員会といわれるカリキュラム改正を専門に議論するための委員会を設置して、適切なカリキュラムについて何週間も集中的に議論を行います。
最終的には、カリキュラム委員会での検討内容を踏まえて、学部運営に関わる教員で構成される教授会※1で審議を行い、新たなカリキュラムが決定されます。※1 学部の意思決定を行う会議
検討結果を教授会で審議します。
承認されればカリキュラム改正が決定します。



検討の結果、今のカリキュラムを継続することもあるよ!
教務課では科目の時間割を決めている
カリキュラム改正の議論を行って来年度のカリキュラムが決まると開講される科目が決定します。
科目が決まれば、次に各科目をどの教員が担当するかを決めなければいけません。
毎年、秋ごろ(10月~11月)になると教務課の大学職員は来年度に開講するすべての科目について、科目を担当する教員を確認して決定します。
すべての科目の担当教員が決まると次は時間割の調整です。
来年度の開講科目が100科目だとしたら、100科目の時間割を決めていきます。



必修科目が重ならないように気をつけるわ!
学部のカリキュラムでは、必修科目を学生が必ず履修できるよう時間割を組む必要があります。
複数の必修科目が同じ曜日・時限で開講されてしまうと学生はどれかひとつの科目しか履修できないことになります。
そのため、必修科目など必ず学生が履修しなければいけない科目の時間割を優先的に配置して、なるべく多くの履修選択肢を学生に提供できるように時間割調整を行うことが教務課で働く大学職員の役割になります。
大学教員は所属する大学だけでなく、他大学でも兼任講師として科目を担当しています。そのため、教員から「この曜日・時限は担当できない」という要望がいくつも寄せられる中で時間割の調整を行いました。月曜から土曜日の1時限から6時限までの時間割(計36コマ:6時限分×6日間)の中にすべての科目を設定する仕事は、まさに無数のパズルのピースをはめていく作業です。パズルのように唯一の正解があるわけではないので、困ったときは周囲と相談しながら時間割調整を行いました。
科目のシラバス執筆を教員に依頼する
大学で開講している科目にはシラバスといわれる授業実施計画や成績評価基準が記載された情報を公開しています。
1つの科目につきシラバスを1つ用意する必要があるため、新学期に向けて科目を担当するすべての教員にシラバス執筆の依頼を行う必要があります。
シラバスの執筆は科目担当の教員が行いますが、大学で定められたシラバス執筆基準に則って適正にシラバスが書かれているかを教務課の大学職員がチェックします。
シラバスに不足がある場合は教務課の大学職員から科目担当の教員に直接、修正依頼や指摘を行います。
大学教員は研究者なので、冬休みなどの長期休暇を利用して海外に研究活動へ出向くことが多くあります。その間、教務課では新年度の授業実施に向けた準備をすすめていますが、ある教員と連絡がつかずメールを送っても返事がありませんでした。シラバスの完成予定日が近づく中、手段を選んでいる時間的余裕がなかったため連絡がつきそうな同僚の教員を通じて連絡がつかなかった教員と連絡を取ることができました。原因はメールサービスが国境を超える際のファイアウォールに引っ掛かりメールが未達だったことでした。結果的に何人かの教員の力を借りて乗り越えることができました。
教務課では学生の履修登録に向けた準備をする
教務課の大学職員は、来年度のカリキュラムが決まり、科目担当教員や時間割の調整が完了してもそれだけで仕事は終わりません。
今度は学生たちが大学の専用システムを利用して履修登録ができるようにデータ設定を行います。
大学の専用システムを利用した履修登録環境の構築はシステム的な側面が強く、システムエンジニア(SE)の力を借りる必要があります。
そのため、各学部の来年度授業情報をベースに大学にある情報システムセンターが一括して授業データを作成して、履修登録環境を構築します。
ただし、情報処理センターに勤務する大学職員やシステムエンジニアは各学部で定めた履修制限や必修科目についての詳細な知識が十分にあるわけではないので、教務課の大学職員がカリキュラムの内容を説明しながら連携して授業データを作成しています。
このように教務課で働く大学職員は仕様や設計を固めたら終わりということはなく、絶えず教員や他部署との調整や連携を求められます。
特定の分野だけに長けたプロフェッショナルではなく、どんな内容でも一次対応ができるゼネラリストのようなオールラウンダー的な要素が求められています。
前年度のカリキュラムから大幅な変更を加えたカリキュラム改正を行うことになり、情報システムセンターに履修登録環境の構築を依頼しました。情報システムセンターのSEも仕様書に基づいて授業データを作成していきますが、細かな確認や新しいカリキュラムの意図については理解が及ばないため、実際に教員と議論した教務課の大学職員として情報システムセンターに出向いて、SEと一緒に授業データの作成を見届けました。
教務課の大学職員は学生の履修相談を受けるのも仕事
学生が自分で履修登録を行う履修登録期間になると、一定数の学生は必ず教務課の窓口に履修相談にやってきます。
大学では学部のカリキュラムに基づき、履修要項といわれる冊子を配布して履修モデルケースを公開するなど学生たちが迷わずに履修できるよう案内をします。
- 履修要項のとおり履修できているか一緒に確認してほしい
- 去年、必修科目を落としてしまったがどのように履修を組めばいい?
- 他の学生がどんな履修登録をしているか教えて欲しい
学生からの履修相談内容はさまざまですが、卒業に必要な単位数を修得するためには計画的に履修登録を行わなければいけません。
学生から履修相談を受ける教務課の大学職員は学部のカリキュラムについて詳しい知識を持っておく必要があり、履修要項を何度も読み込んで理解を深めています。
学生が抱える悩みによっては専門職を紹介する
教務課は学生にとって身近な大学の窓口であるため、相談や悩みを抱えた学生が最初に相談に来る場所です。
履修相談のように相談で終わる内容もあれば、深刻な悩みを抱えていたり、心身の状態が良くない学生がやってくることがあります。


学生の悩みや抱えている問題について教務課の大学職員がすべてを受け持って解決したり、相談にのるわけではありません。
特に精神的な問題やハラスメントに関する悩みを抱えている場合は適切な専門職へと学生をつなぐことが教務課で働く大学職員の仕事です。
以下の記事では、学生が抱えている悩みや最近の学生の傾向を現役大学職員の経験をもとに解説しています。
(内容によって)専門職ではない教務課の大学職員は安易なアドバイスをしないよう気をつけている
大学には学生相談室などにキャンパスソーシャルワーカー※2、公認心理師、臨床心理士といった学生の精神面を支えてくれる専門職が駐在しています。
ほかにもハラスメント相談室など守秘義務を徹底する学生支援の窓口なども存在します。
※2 キャンパスソーシャルワーカーとは社会福祉士や精神保健福祉士などの資格を有した専門職で学生がキャンパスライフを送る中で抱える様々な困難について相談援助を行う人のこと。
大学教員がスムーズに授業運営できるようサポートする
学生の履修登録が完了すると学期の授業が始まります。
大学では1日に100名以上の大学教員が授業を実施しているため、円滑な授業運営のための支援を教務課の大学職員が行っています。
科目によっては教員の体調不良などで休講になることがあるため、休講情報などを学生にお知らせしています。
- 教室変更対応
- 休講掲示
- パソコン等の機材貸し出し
- ゼミ合宿補助申請の受け付け
年度末に行う新年度の準備から授業開始までの期間は教務課で働く大学職員にとって繁忙期となるため、非常に忙しく働いていますが、新学期になり授業が始まると業務量もようやく落ち着いてきます。
教務課の大学職員にとって、すべての授業が無事に開始された瞬間がいちばん安心するタイミングです。
大学では当たり前に行われている授業運営を前年度の夏から支えているのが教務課の大学職員ということです。
このように教務課では学生だけでなく、大学教員とも深く関わる仕事を行います。
大学にとって大学教員と大学職員はそれぞれの役割があるため、どちらもお互いを必要とする関係性です。
「大学教員と関わるうえで気をつけておくべきことをイメージしたい」場合は以下の記事で解説しています。
成績評価のために学期末試験の準備を行う
学期に開講するすべての科目で授業が開始されると、教務課の大学職員は学期末試験に向けた準備を行います。
100科目以上の科目について、数万人規模の学生の成績をひとつずつ管理する必要があるため膨大なデータ量を処理することになります。
学期末試験は通常の授業期間とは異なり、学期末試験期間というスケジュールが大学内で特別に設けられるため、どの科目の試験をどこの教室で行うのかを決めなければいけません。
- 学期末試験期間の設定
- 学期末試験の時間割を設定
- 試験会場を決定
- 学期末試験の問題作成を教員に依頼
- 科目担当教員に学期末試験をお知らせ
- 学生に学期末試験の詳細を案内
- 試験後の成績を大学データベースに登録
学生の成績に関する業務なので絶対にミスが許されない仕事です。
学生の成績というのは卒業後も証明書に記載される大切な情報のため、複数人体勢で何度も確認作業を行いながら学期末試験を実施して、成績を大学のデータベースで保管しています。
教務課の仕事は大学事務だけじゃない!
学生の頃は教務課にいる大学職員が「何しているかよく分からないけど、パソコンを使って仕事している」というように見えると思います。
教務課で働く大学職員は事務処理も多く、事務作業をしているだけのように見られがちですが、実はカリキュラムや時間割の調整などで教員と何度も打ち合わせや議論をしています。
授業が始まり、たくさんの学生がキャンパスに来るようになると、困りごとや悩みを抱えた学生の相談にのる機会が増えるなど学生とのコミュニケーションを大切にしています。
「ただ事務作業をしている」ように見える教務課の大学職員ですが、実はものすごくたくさんの人との会話を通じて仕事をしています。
教務課で働く場合は相手の立場になって物事を考えながらよく聞き、よく話すことが重要です。
このほかの大学職員に必要な能力は以下の記事でも詳しく解説しています。
大学職員の仕事をさらに理解できるようになるので参考にしてください。
まとめ
教務課で働く大学職員の授業に関わる仕事を紹介しました。
大学にとって当たり前のように実施している講義や演習ですが、実は半年以上も前から準備をしています。
具体的にどんな仕事をしているのかよく分からなかった教務課の仕事ですが、授業支援という側面だけ見てもこれだけの工程があります。
- 来年度のカリキュラムについて検討
- 開講科目の担当教員を決定
- 開講科目の時間割を決定
- すべての科目についてシラバスの執筆を依頼
- 学生の履修登録のためにシステム環境を構築
- 学生からの履修相談に対応
- 休講掲示やPC貸出などの授業支援
- 学期末試験に向けた準備
教務課の大学職員は学生と関わる機会が多いため、「大学職員の仕事のイメージ」を聞くと真っ先に頭に浮かぶ仕事は教務課の仕事という方も多いのではないでしょうか。
外から見ていると大学事務として、事務処理ばかりをしているようなイメージがありますが、実は非常にたくさんの人々と会話をしてコミュニケーションをとっています。
教員との打ち合わせや議論を行いながら、学生からの相談を最優先で対応することも重要です。
大規模大学の場合は学生数が数万人と非常に多くの学生が在籍してる環境で仕事をすることになりますが、学生相談を受ける中で、学生全員に当てはまるようなアドバイスはありません。
教務課では、相談に来る学生を「大勢の学生」として一括りにするのではなく、ひとりの学生として向き合いながら、話を聞いて対応する力が欠かせません。
AIや人工知能が急速に発達する現代において、教務課で働く大学職員は「自分たちだからできること」をしっかりと見直して、現状維持に留まらない新たな取り組みを推進していかなければいけないのかもしれません。



気になることがあればいつでも私に相談してください。
教務課の仕事内容に関わらず、大学職員をめざすなかで分からないことや相談があれば、当記事ライターの現役大学職員トキがご質問にお答えします。
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