大学のキャリアセンターや就職ナビサイトで「24卒!就活スケジュール」が公開されていますが、これらは民間企業への就職をイメージしたスケジュールです。就活において、志望する業界の選考スケジュールを知っているかどうかは内定に大きく影響します。
なぜなら、就活スケジュールを把握することでゴールから逆算して対策の準備ができるからです。就活において計画性のある事前の準備は欠かせません。
この記事では現役の大学職員が自身の経験をもとに大学職員の選考スケジュールと内定に向けて準備すべきことを時系列で紹介します。この記事を読むことで、多くの就活生が直面する「いつ、なにをしたらいい?」という問題を解決することができ、大学職員の内定に向けて計画的に準備をすることができます。
結論、大学職員の就活スケジュールは民間企業よりやや遅い傾向があります。私立大学の場合は6月に面接が始まり、国公立大学の場合は7月に職員採用試験・面接が実施されます。
大学職員の就活はスケジュールがやや遅いため、流れに乗り遅れると取り返しがつかないので気をつけましょう。
大学職員の就活スケジュールは6月に面接解禁
2021年3月以降に卒業した学生から就職活動に関する解禁ルール・取り決めは、これまでの経団連(※1)主導から政府が主導するかたちに切り替わりました。
(※1) 日本経済団体連合会(日本の代表的な企業1,461社、主要全国団体109団体から構成2021年4月1日現在)
就活生に大きな影響を与える新卒採用のスケジュールですが、政府が主導する就活スケジュールになった現在、2024年卒の大学職員採用は前年度と同じく大きな変更はありません。
大学職員の就活は3月採用説明会・6月面接スタート
新卒採用を対象にした大学職員の就活スケジュールは国公立大学職員と私立大学職員でスケジュールが異なります。国立大学の場合は、3月に採用説明会・プレエントリー、5月に採用試験申し込み、7月に採用試験受験・面接となります。私立大学の場合は民間企業と同じく3月に採用説明会・プレエントリー、6月に面接を開始します。
私立大学の場合は書類選考を通過した方を対象に大学独自の適性検査を行うことが多いです。一方で国公立大学職員を目指す場合は地域ごとに設けられた共通の採用試験を受験して合格する必要があります。
注意事項として、民間企業は通年採用や採用手法の多様化によって3月の企業説明会、6月面接開始のスケジュールとは異なる企業も一部存在するので、就活スケジュールが混同しないように気をつけましょう。
大学職員の就活はいつから?学部3年生の1月には始めよう
大学職員の選考スケジュールは民間企業よりもやや遅い傾向があります。しかし、面接が6月から解禁されるからといって油断していると書類選考を通過できなかったり、採用面接を突破できなかったりと内定を獲得することができないので注意しましょう。
大学職員の選考フローは基本的に、民間企業と同じフローで採用説明会、エントリー受付、適性検査、面接と進んでいきます。6月の面接解禁から逆算すると学部3年生の1月頃には就職活動を始めておく必要があります。
書類選考で提出するエントリシートの準備や志望動機を明確にするために自己分析など、大学職員の就活では事前の準備が非常に大切です。
就活生がやるべきことを時系列でまとめたよ!
大学職員に就職するために:2023年2月までは自己分析をしてインターンシップに参加しよう
大学職員の採用説明会やプレエントリーが始まる前の2023年2月頃までは自己分析をしたり、インターンシップに参加したりしましょう。大手の私立大学を中心に大学職員採用向けのインターンシップを行う大学が増えていますが、まだまだ実施大学数は少ないです。
そんなときは大学職員に限らず民間企業のインターンシップにも参加してみましょう。就活生の時期に大学業界以外を見たり経験することは大学職員の就活対策に非常に有効です。面接の場で「なぜ、他業界ではなく大学業界なの?」と質問された際に答えられるようにしましょう。
就職活動を進める中でとにかく時間を使うべきなのが「自己分析」です。志望理由や内定先から1社を決める時の判断基準など、自己分析ができているかどうかが就活を大きく左右します。
大学職員になるための自己分析のやり方は公式LINE登録でプレゼントしている「大学職員になるための考え方・ES・面接対策BOOK」に記載されているので参考にしてください。
就活を始めてから2月までの期間は採用説明会やプレエントリーの開始前で時間がたくさんあるので、積極的に自己分析を進めておきましょう。
「大学職員の選考スケジュールは遅いから、まだ何もしなくて大丈夫!」と油断しないでください。民間企業に比べて大学職員の選考スケジュールはやや遅くても、エントリーする就活生は冬から就活を始めてたくさん経験を積んでいます。
当記事ライターの現役大学職員トキはOB訪問やオンライン相談(無料)でこれまで30名以上の就活生から相談を受けてきましたが、本選考にエントリーする時点で面接経験などライバルと差がありすぎて後悔している…という就活生をたくさん見てきました。
あとで後悔しないようにいま頑張りましょう!
就活生の中で経験値に差が出るのがエントリーシートを書いた経験や面接の経験があるかどうかです。民間企業のインターンシップに応募したり、オファー型求人に申込みをすることで早期内定やインターンシップ参加のためにエントリーシートを書く機会が増えます。
就活の後半で「自分で書いたESが通過しない…」と悩むことがないように、早い時期から挑戦しましょう。
大学業界以外の選考も受けよう!
大学職員を目指すなら大学業界以外の業界もしっかりと理解しておきましょう。あなたが就職したい大学業界という環境は、教育や研究成果を社会に還元していく存在です。つまり、大学で働く大学職員こそ社会や日本経済について知っておかないと仕事にならないのです。
大学職員を目指すのであれば、就活生のうちから幅広い業界に視野を広げて、社会の仕組みや業界ごとのつながりをしっかり理解しておきましょう。
オファー型就活サイトに登録しておくことで、就活をすすめながらインターンシップや本選考のオファーが届くので効率よく就活ができます。オファーが届いた企業や業界を調べることでこれまで自分が知らなかった業界について理解を深めることができます。
特に業界トップクラスのオファー型サイトは「就活生の5人に1人が利用している」状況のため、就活ナビサイトだけを利用していた昔の就活方法と現在は大きく変化しているので機会を逃さないように気をつけましょう。
大学職員に就職するために:2023年3月からはエントリーシートを提出しよう
2023年3月からは民間企業だけでなく大学業界において採用活動が本格化します。就職活動ナビサイトのプレエントリー(※2)開始となり、一斉に採用説明会が開催されます。
(※2) プレエントリーとは、就活ナビサイトで興味のある企業や大学を登録することで採用情報を受け取る手続きのこと
3月の採用説明会が始まる時期から急に忙しくなるわ!
プレエントリーをする際は気になる企業や大学をなるべく多く選択してエントリーしておきましょう。就活における採用マーケット全体を考えた時、どの業界も序盤は採用人数に達するまで積極的な採用活動を行いますが、後半になるにつれて採用予定人数が埋まった企業や大学は選考活動を終了します。
就活が始まったばかりの3月の時期はまだまだ余裕があるので、この時期になるべく多くの企業・大学説明会に参加して選考情報を収集しておきましょう。就活ナビサイトやオファー型就活サイトに登録して情報が入ってくる仕組みを整えておくのも3月の時期に行いましょう。
就活の序盤から特定の業界だけに絞ってエントリーする就活生がいます。
ところが、就活をする中で志望する軸が変わったり、不採用によって持ち駒(※3)がなくなったり、他業界を受けなければいけない状況になります。
3月時点でプレエントリーをしていないと、一次募集に間に合わず二次募集を行う企業や大学の中からしか選択できなくなります。
- 今年の採用説明会がすでに終わっていた…
- ESの提出期限が過ぎていた…
(※3)エントリーしている選考中の就職先のこと。就活略語。
大学職員に就職するために:2023年4月からはOB・OG訪問をしよう
3月のプレエントリーを終えて、エントリーシート(ES)を提出する時期に合わせてOB・OG訪問をすると効果的です。
大学業界のことを全く知らない状態の就活生がOB・OG訪問をするよりも、採用説明会に参加してある程度、業界に対する理解が進んだタイミングで訪問することで有意義な機会になります。
大学職員へのOB・OG訪問では、訪問相手の大学職員を探すのがとても大変です。しかし、裏を返せば他の就活生も大学職員へのOB・OG訪問に苦労しているので、先輩職員から話を聞くことができれば就活を有利に進めることができるでしょう。
これまでに累計30名以上の就活生からOB訪問を受けた当記事ライターの現役大学職員トキが「大学職員にOB・OG訪問する方法」を以下の記事にまとめました。ぜひ積極的に、OBOG訪問を申し込んでみましょう。
大学職員に就職するために:2023年6月から面接が開始
2023年6月以降は採用面接が解禁になるため、多くの企業や大学で採用面接が始まります。大学職員の選考でも新卒採用の場合、私立大学は6月から、国公立大学は7月から採用面接が開始されます。
6月上旬は面接日程が重なりやすいので、他大学や民間企業の面接とバッティングしないようにスケジュール調整に気をつけましょう。
万が一、最終面接などがバッティングした場合はどの大学の採用面接を優先するのか自分の中で優先順位を決めておきましょう。
民間企業は採用活動の多様化によって、年間を通じて採用活動を行うケースがあります。また、6月の面接解禁以降も内定状況によっては10月頃に二次募集を行う企業もあります。
しかし、大学職員の場合は募集人数が数名程度と少ないため、6月~7月の面接でその年度の採用活動を終了します。新卒で大学職員を目指す場合は6月の面接までにしっかりと準備をして臨みましょう。
※大学によって多少の差はあります。
大学職員をめざす3つの就活準備
大学職員の選考スケジュールを理解したうえで、就活生が取り組むべき就活準備は次の3つです。
- インターンシップへの参加
- 自己分析
- OB・OG訪問
自己分析ができれば大学職員の内定を獲得できる
就活において内定を獲得できるか、できないかを分ける大きな要因は自己分析です。自己分析がしっかりとできていれば面接官に自分自身をアピールすることができて「なぜ、私が貴学を志望するのか」という志望理由も明確になります。
自己分析は自分の過去を振り返りながら当時のエピソードや心境を振り返る作業なので場所を選ばずどこでも取り組むことができます。早い時期から自己分析に取り組めば期限に追われることなく行うことができるので自分のペースですすめていきましょう。
- 自分はどんな仕事がしたいか?
- どうして大学に入学したのか?
- 自分はどんな性格なのか?
自分ひとりではうまく自己分析ができない場合は、他人から自分がどう見えているのかを客観的に知る他己分析を行うことでいままで自分では気が付かなかった強みや弱みを知ることができます。
周囲の友人に協力してもらって「私の印象を教えて!」と他己分析を行うこともおすすめです。友人も就活中でなかなか他己分析に協力してもらえない…という方は当記事ライターの現役大学職員トキがオンライン相談(無料)を行っているので活用してください。自己分析に必要な深堀り作業をお手伝いします。
\ 現役大学職員にOB訪問しよう /
インターンやOB・OG訪問で大学職員の仕事をイメージしよう
自己分析がある程度、準備できたらインターンシップやOB・OG訪問に参加してみましょう。インターンシップに参加するためには書類選考を課している企業や大学も多いため、エントリシートを実際に提出して実践を積むことができます。
大学職員を目指している就活生は、大学業界以外の民間企業インターンシップに参加することがおすすめです。他業界と比較することで「なぜ大学職員になりたいのか」という志望動機を言語化しやすくなります。自分ひとりで業界研究をすすめることは大変なのでインターンシップの参加を通じて他業界の理解を深めましょう。
悩むだけでなく行動量も大切だよ!
自己分析や業界研究をしていると非常に忙しく、インターンシップ先を探すのは大変です。就活を有利に進めるためにオファー・スカウト型の就活サイトに登録しておきましょう。
オファー・スカウト型の就活サイトではインターンシップの参加に関するオファーだけでなく、本選考への逆オファーが届くことがあるのでエントリーシート(ES)提出や面接を進めながら、内定を獲得するチャンスが増え選択肢を広げることができます。
不景気でも大学職員の採用人数に変化はない
この数年間は感染症拡大の影響もあり民間企業を中心に新卒採用人数を縮小する傾向が強まりました。日本経済新聞によると三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行の3メガバンクは2023年春の新卒採用計画を計1,100人とし、5年前の約3,200人と比べておよそ3分の1に抑えるとのことです。(出典:日本経済新聞2022年4月6日版)
大学職員の採用に関しては、採用計画人数が数名のため景気動向に左右されることなく前年から大きな変化はありません。ただし、不景気になると公務員採用試験と同じように安定を求めて大学職員の選考を受ける就活生は増えるため、倍率は高くなる傾向があります。
大学職員に就職することは難しいとよく言われますが、事前の準備をしっかりと行うことで内定の可能性を少しずつ高めることができます。採用計画人数の推移に左右されることなく今できる対策を行いましょう。
大学職員の選考はオンライン化が進んでいる
大学業界はこの2年間の間で感染症流行の影響を受けてオンライン授業を新たに導入するなどオンライン化の動きが大きく加速しました。この影響を受けて、大学職員の新卒採用でも採用説明会をオンラインで実施する大学が増えています。
オンライン化の流れが加速したことで、これまでインターンシップを実施していなかった大学が新たにインターンシップを開催したり、就活生が移動時間や交通費を気にせず、複数の大学の採用説明会に参加できるなど従来よりも利便性が向上しています。
- 採用説明会の録画が公開されるようになった
- 移動費をかけずに就活生が費用を削減できる
- インターンを新たに始める大学が増えた
大学が毎年一定数の大学職員を採用する理由
大学職員の仕事は毎年4月に始まり翌3月に区切りを迎える年度の考え方で動いています。そのため、新卒採用は4月入職のスケジュールで採用され、中途採用で大学職員になる場合も4月から転職するケースが多くあります。
大学職員の場合は採用人数が少ないため、採用を行わない年度が発生するとその後、何十年間にわたって大学職員のいない世代が発生してしまいます。大学職員がいない世代があると大学にとって人材力の不安定さに直結するため毎年、採用活動を行っています。
大学業界は研究費や施設設備費などの出費のほかに人件費が多く発生する業界といわれており、それだけ大学教員や大学職員といった被雇用者を大切にする風習があります。
多くの大学において、採用担当者は「大学業界という特殊な環境で仕事をする大学職員は、新卒採用を中心として長期的に経験を積ませて育成したい」という志向があるため新卒採用を重視している傾向があります。
このような背景が理由で大学職員の採用は景気に左右されずに毎年安定して実施されており、今後もこの流れが大きく変わる可能性は極めて低いといえます。
周囲の就活状況が見えない中で就活するコツ
就職活動のオンライン化が進んだことで大学の友人と会う機会が減少し、友人がどのような就職活動をしているのか見えづらくなっています。かつては友人がどのような業界を受けているのか、友人の志望動機はどのような内容なのかといった情報を共有することで自分に欠けている部分に気がつく機会がありました。
基本的には自分の就職先なので、就活は自分で行うものですがあまりにも周囲と接点がないと「まわりの就活生と比べて自分の行動は正しいのか?」と不安になることもあります。
そんなときは次の方法で周囲と状況を共有しながら就活をすすめることも効果的です。
- 友人と就活用LINEグループを作成する
- スケジュールをGoogleカレンダーで共同管理する
- 周囲の就活生の質問内容に耳を傾ける
就職活動では情報収集が欠かせません。期日を過ぎると希望する大学や企業の選考にエントリーができないため、就活生にとっては情報こそ命といえます。とはいえ、企業説明会の参加やエントリーシートの準備、面接対策に追われる就活生にとって、自分一人だけで情報を集めることは難しく、収集量にも限界があります。
そんな時は、LINEグループやGoogleカレンダーで情報をシェアすることができれば効率的に就活を進めることができます。
友人が集めた就活情報に頼る就活生もいますが、友人と価値観や就活軸が全く同じということはあり得ません。
「どんな情報を集めるか?」という選択の時点で、すでにあなたの就職活動は始まっています。自分の就職先を決める大切な就活なので、自分の責任で情報を取捨選択しましょう。
就活情報は自分で主体的に集めよう!
まとめ
大学職員をめざすなら、採用スケジュールの大まかな流れをつかんで対策することが大切です。
就職活動で気をつけるべきことは「気づいたら締め切りが過ぎていた!」と手遅れにならないようにすることです。特に大学職員は募集人数が少なく、合同説明会などへの露出も少ないため事前の情報収集と対策が重要になります。
大学職員を目指すための対策で「何をしたらいいのか…」と迷っている場合は自己分析、OB・OG訪問、インターンシップへの参加を取り組みましょう。
せっかく、自己分析やインターン準備を行うのであれば、大学職員に求められる能力やスキルについて理解したうえでエントリーシートの作成やOB・OG訪問をすると効果的です。
以下の記事では現役の大学職員が大学職員の仕事内容についてまとめているので、選考が始まるまでに必ず理解するようにしてください。
早い段階から就活を始めて対策を重ねたい場合はオファー・スカウト型の就活サイトを活用してインターンシップに参加したり早期選考のエントリーシートを提出して実践を積んでみましょう。
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