大学職員にOB・OG訪問をすることが決まったら、あなたはどんな質問をしますか。
OB・OG訪問でやるべきなのは目的に応じた質問をすることです。
なぜなら、OB・OG訪問は「志望動機のヒントが欲しい」「大学業界の理解を深めたい」などの事前に決めた目的を達成するための手段だからです。
残念ながら多くの人はOB・OG訪問すること自体が目的になっています。
この記事では、これまで100名以上の就活生や転職希望者からOB訪問を受けている現役の大学職員トキがOB・OG訪問の質問について良い質問と悪い質問を紹介します。
- OB・OG訪問で質問する内容がわかる
- 目的別に質問の例文がわかる
- やってはいけないNG行動がわかる
せっかく大学職員から生の声を聞けるチャンスを手に入れてから、焦って準備することがないように今のうちから情報収集をしておきましょう。
OB・OG訪問する目的を決めてから質問を考えよう
就職活動や転職活動では「実際に大学で働く大学職員にOB・OG訪問をした方がいい」とよくいわれますが、何のためにOB・OG訪問するのか決めずに訪問しているケースがあります。
大学職員にOB・OG訪問する目的に合わせて質問する内容は変わるので、必ず訪問前に何のためにOB・OG訪問をするのかを決めておきましょう。

目的が決まったら、あとは質問を考えるだけ!
OB・OG訪問する目的ごとにどんな質問をすればいいかの参考例は以下のとおりです。
OB・OG訪問では、大学職員にどんな話をして欲しいかイメージしてから質問しましょう。
大学職員の仕事を理解するための質問4選
- 質問1.現在の担当業務を教えてください!
- 質問2.1日の業務スケジュールを教えてください!
- 質問3.大学職員になる前となった後のギャップはありましたか?
- 質問4.大学職員の仕事ではどんな人と関わることが多いですか?
大学職員に就職・転職するためには大学職員の仕事を理解することが大切です。
大学職員の仕事を把握することで自分の強みや弱みといった自己PRをどのように活かすことができるか考えることができ、志望動機に説得力を持たせることができるからです。
大学職員の採用人数は年間で数名程度と少ないため、インターネットの口コミサイトでも情報を集めるのは大変です。
OB・OG訪問を通じて現役の大学職員からリアルな仕事内容を聞くことで、他の就活生や転職活動中の方が知らないリアルな情報を得ることでまわりと差別化を図ることができます。
面接の場でも「実際に大学で働く大学職員から○○という話を聞いて」とあなたの主張や志望動機の根拠として利用することができます。



「大学職員の仕事を理解する目的」はおすすめ!
OB・OG訪問する前に大学職員の仕事内容を知っておきたい方は、以下の記事で詳細に解説しているので参考にしてください。
大学職員の志望動機のヒントになる質問6選
- 質問5.大学職員を志望した理由を教えてください!
- 質問6.まわりにいる大学職員はどのような人が多いですか?
- 質問7.大学職員の仕事で成長を感じた瞬間を教えてください!
- 質問8.仕事を頑張る原動力は何ですか?
質問9.大学職員に就職・転職する際の決め手は何でしたか?
質問10.大学職員として活躍している人の共通点を教えてください!
「大学職員になりたいけど、いざ志望動機を書いてみると書けない…」と悩んでいる方がたくさんいます。
原因は大学職員の仕事への理解が不十分だったり、自己分析が足りていなかったりすることで、自分の頭の中にある何となく大学職員になりたい理由を言語化できていないことにあります。
実際に大学職員として働くOB・OGがどのような志望動機で選考にチャレンジしたのかを聞くことで今までになかった視点や考え方を得ることができます。



「答えを教えて!」系の質問は嫌がられるよ
「大学職員の志望動機の答えを教えてほしい」という質問ではなく、自分がやりたいことや理想とする環境が大学の職場にあるかを確認するための質問をしてみましょう。
大学職員が仕事をするうえでやりがいを感じたり、いきいきとする場面について、話を聞くことであなたの志望動機を言語化していく手助けとなります。
私は学生がチャレンジできる環境を育てるために大学職員を志望します。人が育つためには挑戦することで失敗や成功を繰り返し、さまざまな人々と接する機会が欠かせないと考えます。貴学で働く○○さんにお話を伺った際に「チャレンジプログラムで学生を支援する環境があり、学生と接する部署では、積極的に学生の話を聞く雰囲気がある」と伺いました。貴学であれば、私の志望理由である学生が挑戦を続けて育成に繋がるための仕事ができると考え志望します。
大学業界について知るための質問8選
- 質問11.大学の予算に関して傾向や思うことはありますか?
- 質問12.大学職員は他大学との交流が頻繁にあると聞きましたが本当ですか?
- 質問13.18歳人口の減少など次の10年に向けて大学が取り組むべき課題は何だと思いますか?
- 質問14.他大学を分析するときに使う方法を教えてください!
質問15.大学の特徴と課題を教えてください!
質問16.大学業界の将来性についてどのように考えますか?
質問17.大学の中長期事業計画について具体的に業務で取り組んでいることはありますか?
質問18.AIなどの進歩によって今後、大学職員の仕事はどのように変化すると思いますか?
大学業界の情報を得るために大学の中長期事業計画を参考にする方法があります。
しかし、どの大学も抱えている課題は定員充足率の問題や大学の独自性を高めるための取り組みなど似通ったものが多く、中長期事業計画から大学ごとの比較をすることは難しいです。
文部科学省の中央教育審議会で議論された内容「我が国の「知の総和」向上の未来像~高等教育システムの再構築~(答申)(中教審第255号)」を参考にすることも可能ですが、大学職員に就職する前段階でこれらの資料を読み解くには膨大な時間と労力がかかってしまいます。



大学職員に質問すれば資料にはないリアルが聞ける!
現役の大学職員に大学業界に関する質問をすることで、入試業務を担当する大学職員なら各大学の受験者数や入学者数の推移、研究支援を担当する大学職員なら科研費※1の獲得総額・件数など、それぞれが得意とする分野の分析や見解を聞くことができます。(※1)科研費とは科学研究費助成事業の略で文部科学省が助成する学術研究のための競争的研究資金のこと。(出典:文部科学省)
現場で仕事をする大学職員から「大学業界に関するコメント」を引き出せるような質問をしてみましょう。
大学職員のワークライフバランスについて知るための質問5選
- 質問19.1年間の業務量はどのような感じですか?
- 質問20.休日の過ごし方について教えてください!
- 質問21.仕事が終わったらどんなことをしていますか?
- 質問22.長期休暇の思い出はありますか?
質問23.仕事で悩むことはありましたか?
大学職員が働いている大学という職場は、4月に始まり翌年3月に終わりを迎える年度単位で動く仕事が多いです。
そのため、季節労働といわれるように1年間を通じて忙しい時期と落ち着いている時期に分かれていて業務量に差があります。



仕事と私生活のバランスを聞くなら1年間の中でどう変化するかを聞いた方がいいわ!
ワークライフバランスに関して知りたい場合は休日の過ごし方や長期休暇について質問してみましょう。
休みの期間について話を聞くことで、間接的に日頃の残業時間や休日出勤の様子を聞くことができます。
年度末や年度初めの2月から4月の時期は仕事量が多くなりますが、多くの大学職員はプライベートと仕事の両立を充実させているので積極的に質問して大学職員の働く様子を知りましょう。
大学職員の長期休暇や有給休暇については、以下の記事で大学ごとにまとめてあるので参考してください。
自分の志望度を高めるための質問5選
- 質問24.大学職員の魅力を教えてください!
- 質問25.大学の文化やカルチャーについて教えてください!
- 質問26.大学業界は年功序列というのは本当ですか?
- 質問27.大学職員の仕事を通じて身につく能力やスキルはありますか?
質問28.職場の若手はどんな仕事をしていますか?
就職活動や転職活動をするなかで、最後は内定先の中から1社を決める選択をしなければならず、今後の人生を大きく左右する重要な決断です。
そのため「本当にこの大学に就職する選択でよいのか?」と最後のさいごで迷わないためにOB・OG訪問で大学職員のリアルな声を聞いて自分が希望する環境があるのか確かめておく質問をしましょう。
職場選びや職業選びに関する質問の場合、OB・OGが自分のキャリアや成果を振り返るような質問をすることで、あなたが就職した後の未来像を知ることができます。
特に大学の文化やカルチャー、身につく能力などを事前に知っておくことで「思ってたのと違う!」と就職後に感じるギャップを最小限に抑えることができます。



どんなギャップを感じたか聞いてみると事前に予測ができるよ!
就活や転職活動の選考対策に関する質問6選
- 質問29.就活生だった当時、意識していたことを教えてください!
- 質問30.転職活動をする際のポイントはありますか?
- 質問31.大学職員の内定に向けて手ごたえを感じた瞬間はありますか?
- 質問32.今の私に足りないものがあれば教えてください!
質問33.大学業界以外に見ていた業界を教えてください!
質問34.面接官と話をするときに心がけていたことを教えてください!
倍率の高い大学職員になるための就活・転職活動はしっかりと事前の準備をしなければ成功しません。
就活や転職活動の悩みや、先輩たちがやっていた選考対策などをOB・OG訪問の機会を利用して相談しましょう。
先輩の大学職員が当時どんな対策や準備をしていたかを聞くことは非常に役立ちます。
就活生が大学職員になるためにやるべきステップを以下の記事で手順ごとに紹介しているのでチェックしてください。
OB・OG訪問で嫌われる質問
大学職員にOB・OG訪問する場合、多くのケースで「初めまして!」の初対面の相手に質問することになります。
初対面の相手に向かって、いきなり年収やどれだけ休めるかなどデリケートな質問をする場合には注意が必要です。
「年収や休日数を質問してはいけない」ということではなく、質問する際には言い回しやタイミングなどの配慮が必要です。



「この人デリカシーないなぁ」と思われるともったいないよ!
年収や休日について質問する場合は、直接的な質問ではなく自分が必要とする理由を交えながら間接的に質問する方法を解説します。
年収や給料に関する質問を聞く場合は例え話を使おう!



例え話や他業界の水準と比較するような質問だと答えやすいよ!
- 質問35.「金融業界の平均年収は650万円」というデータを見ましたが大学職員も同じくらいでしょうか?
- 質問36.奨学金を返済する必要があるのですが「例えば毎月3万円を返済に充てる」ことは可能でしょうか?
多くの人は初対面の相手から自分の年収を聞かれることに抵抗感やためらいを感じます。
「あなたの年収を知りたい!」という趣旨ではなく、あくまで大学職員になった場合の目安を知りたいということを相手にもしっかりと伝えましょう。
例え話や他との比較によって、自分が必要とする金額に対して現実的かどうかを確認する目的の質問をすることで、ストレートだった質問をマイルドに緩和することができます。
年収や収入に関する質問はデリケートな要素が多いので、初対面の相手の場合は控えておくのが無難です。
大学職員の年収を知りたい方は、以下の記事で国立大学と私立大学の給料やボーナスを現役大学職員がまとめているので参考にしてください。
休日や福利厚生に関する質問ばかりするのは辞めよう



「楽な仕事を探しているわけではない」ことが伝わるよう質問した意図を伝えよう!
- 質問37.吹奏楽の活動を社会人でも続けたいのですが休日出勤などは頻繁にありますか?
- 質問38.家族が増えても仕事を続けたいのですがお子さんがいる職員の方はどのように働いていますか?
「仕事だけではなく充実したプライベートの時間を確保したい」というのは誰もが望んでいます。
そのため、勤務先の休暇や休日出勤の有無などは採用担当者ではなく、実際に働く大学職員から生の声を聞くことに意味があります。
大切なのは「何のために休日数や残業時間を確認したいのか」という目的を示したうえで質問することです。
初対面を相手にしたOB・OG訪問の場合は、ある程度、表向きな理由というのも必要です。
「この人がうちの職場に来たら一生懸命、働いてくれないかも…」と思われないように気をつけましょう。
大学事務は楽な仕事と決めつけた質問はやめよう
- 質問39.仕事をする上で大切にしていることを教えてください!
- 質問40.これまでの仕事で辛かった経験を教えてください!
大学職員の業務内容を理解しないまま就職すると、入職後に想像と違う仕事をすることになり、大きなギャップを感じて自分自身がつらくなります。
大学職員の良い面だけでなく苦労する面についても事前にOB・OGから話を聞いておきましょう。
以下の記事では、教務課で働く大学職員の仕事内容を詳しく解説しています。
大学職員が事務作業だけをしているわけではないことが分かるので確認しておきましょう。
OB・OG訪問する際の正しいメールの送り方
大学職員にOB・OG訪問するためには、簡潔でわかりやすいメールを心がけましょう。
大学職員は1日100通以上のメールを受信しながら仕事をしています。
そんな大学職員から、メールの返信をもらうためには最低限のビジネスマナーを踏まえてメールを送るようにしましょう。
- メールの題名で内容を簡潔に伝える
- 宛先と差出人を記載する
- 要件を整理して簡潔に書く
大学職員へのOB・OG訪問でメールを送るタイミングは訪問の依頼をする時だけではありません。
主な3つのシチュエーションごとに何を伝えたいのかを明確にしてメールを送るようにしましょう。
OB・OG訪問を依頼するときに初めて送るメールです。このメール文章であなたの第一印象が決まるので丁寧な文面を心がけましょう。突然のメールになるのでOB・OGの連絡先を知った経緯についても触れておきましょう。
OB・OG訪問の日程が決まったら事前に質問リストをメールで送りましょう。OB・OG訪問を受けてくれる大学職員も貴重な時間を使って面談をするため、少しでも役に立つ時間にしたいと考えています。事前に質問したい内容が分かっていれば関連資料などを事前に調べておくことができます。
OB・OG訪問後のお礼メールはコピー&ペーストで使いまわすテンプレートメールを送らないように気をつけましょう。現役の大学職員から話を聞いて感じたことや理解したことなど自分の感想を交えてメールすることが大切です。
大学職員にOB・OG訪問するための方法・探し方
大学職員へのOB・OG訪問で苦労するのが訪問相手を探すことです。
大学職員の知り合いがいる先輩や友人がいない場合は、人からの紹介ではなく自分で大学職員を探さなければいけません。
大学職員にOB・OG訪問するための方法は次の3つです。
- 大学のキャリアセンターを活用する
- SNSで大学職員を探す
- 企業が運営するOB・OG訪問サービスを利用する
「大学職員なら自分の大学にもいるじゃん!」といって教務課などの窓口でいきなりOB・OG訪問の依頼をするのは避けましょう。
就活が本格化する3月から4月の時期は、年度末・年度初めのため大学職員にとっての繁忙期になります。
学生といっても就活においては、社会人としての目線で見られることになるので、常に相手の状況をよく考えた行動を心がける必要があります。
自分が在籍する大学の職員にOB・OG訪問したい場合はまずはキャリアセンターで相談してみることをおすすめします。
現役の大学職員が教える具体的なOB・OG訪問の方法は以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてください。
まとめ
大学職員にOB・OG訪問するときの質問はどんな目的でOB・OG訪問をするのか明確にしておくことが大切です。
大学職員を目指すなかで困りごとの解決のヒントになる情報を得たり、志望度を高める話を聞いてみましょう。
どのような質問をしたらよいか迷ってしまう場合は、次の目的の中で自分が当てはまるものを選択して質問することで有意義なOB・OG訪問を行うことができます。
せっかく大学職員から話を聞くことができるからといって、踏み込み過ぎた質問やデリカシーに欠ける質問には注意しましょう。
初対面の相手に年収や給料、休みの具合を直接的に質問することは控えるべきです。
デリケートな内容を質問するときには注意をしよう!
大学職員を目指して就活や転職活動をしていると非常に忙しい中でも少しずつ対策をすすめていく必要があります。
OB・OG訪問する相手が見つからなかったり、どんな質問をしたらいいか分からず困っているという方は当記事ライターの現役大学職員トキに相談してください。
オンラインでの無料相談も受け付けているので、希望する方は公式LINEからご連絡くださいね。